http://onsoku50live.blog.shinobi.jp/Entry/119/Froschritter Orchestra 2018.09.16
Froschritter Orchestra 2018.09.16
@大田区民ホール・アプリコ 大ホール
フロッシュリッターオーケストラといわれても、何の演奏するんだろうって感じですが、
クロノトリガーの合唱付きオーケストラを行う団体さんです。
いわゆる単発オケっていうやつですね。
今年は、ゼノギアスのアマチュアコンサートも公式コンサートもあり、
光田さんファン歓喜の1年ですね。
【合唱について】
今回合唱がついてたんですが(開演してから気づいたw)、
合唱がつくと、色々と面白い事ができるんだなと感心しました。
「ガルディア王国千年祭」では、合唱の方々が口々に喋り、身振りもつけてお祭りの雰囲気を再現してましたし、
「王国裁判」では、有罪/無罪の投票のたびに、傍聴の歓声やブーイングが沸き起こる部分も再現されてました。
(ガルディア王国では陪審員制を導入しているのか、数名の陪審員(?)が、有罪/無罪を投票する裁判制度になっている と記憶しております)
曲の方でも、コーラスが入ってすごく良いなぁと思う部分が随所にあり、
元のゲームがSFCなので本当の人の声は一切入っていないのですが、
ボイス系の音やそれに近い周波数帯域の音が入ってたんだなぁと、聴きながら改めて思いました。
【あまり演奏されない地味曲たち】
クロノトリガーというと、やはりメインテーマや、「風の憧憬」などがめちゃくちゃ有名で、ついついそちらに目が(耳が)行ってしまうんですが、
今回のような単一作品に限定した演奏会では、普段日の目をみない地味曲も聴けるのが醍醐味ですね。
(ゲームという作品を作る上では、派手な曲や明るい曲、カッコいい曲ばかりじゃなく、暗い曲、不気味な曲など様々な曲が必要だし、それがあるからこそ、それぞれの曲が映えると思うので、地味曲もめっちゃ大切)
「樹海の神秘」
この曲はなかなか注目されにくい曲で、生演奏を聴くのは初めてだったと思う。
冒頭の印象的なアルペジオとベースの旋律がとても神秘的な曲ですね。
「荒れ果てた世界」「生きる望みをすてた人々」
曲名書いただけで鬱ですが、未来の曲ですね。
ゲームをするのが嫌になった記憶がある曲です。きっと練習されるのも苦痛だったでしょう。
「風と空と大地のリズム」
原始のフィールド曲ですね。パーカスしかない曲ですが、再現度が完璧でしたね。
「錯乱の旋律」
メロディらしいメロディが無い曲ですが、耳鳴りのように聴こえてくる同じ音程の音に、
不気味に響く何者かの声も再現されておりました。
【編曲について】
ツイッターのフォロワーさんが編曲されてたようで、
演奏会後に少しやり取りしましたが、
海底神殿の冒頭(ファファファドレド ファファファドレド って所)、
ヴァイオリンとヴィオラで左右にパンを振る感じで演奏されてて、芸が細かい!と思いました。
原曲もヘッドフォンを付けて聴くと振ってるんですよねぇ。
その後、この曲はラヴォス出現により激しくなったと記憶してますが、
その曲の終わりで、ピアノを腕で弾く所の迫力が凄かった。(ピアノ+大太鼓だったか?)
ああいう特殊なことをやると、やりすぎ感が出たりするのですが、
違和感もなく、圧倒的なラヴォスの力の前に屈してしまう主人公らが表現されていたように思います。見事でした。
【SFC時代曲の素材的側面】
今のゲーム(たとえばアナザーエデン、ゼノブレイド2)は、
ゲームの段階から生演奏なのですが、SFC時代の曲はもちろんそうじゃない。
それゆえ、少し素材的側面を持っていると思っていて、
これらの曲を生楽器で演奏するとどうなるのかという興味が、
こういった演奏団体を生み出したと思う。
また、編曲者が様々な意図をもって工夫した編曲をしていて、
いわゆる二次創作要素を含んでいるのが、
SFC時代曲の演奏の楽しみだとも思う。
今のゲーム曲は曲として完成しきっているので、
なかなか二次創作要素を含みつつ、良い編曲というのは難しくなってくるかもしれないなぁ。
――
奏者、編曲者、その他関係者の皆様、
すばらしいコンサート、ありがとうございました。
お疲れ様でした。
PR